大判例

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水戸地方裁判所 平成10年(わ)206号

主文

被告人を懲役一年及び罰金二〇〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

(犯罪事実)

被告人は、茨城県鹿島郡神栖町奥野谷五九〇〇番の一一において岩井ボートル工業の名称で、ボルト等の販売業を営んでいた者であるが、自己の所得税を免れようと企て、架空仕入れを計上するなどの不正な方法により所得を秘匿した上

第一  平成五年分の実際総所得金額が、七一五三万〇七八六円で、これに対する所得税額が三〇五七万五五〇〇円であるのに、平成六年三月九日、茨城県行方郡潮来町大字延方甲一三五八所在の所轄潮来税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が二三七万一二四一円で、これに対して納付すべき所得税額はない旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、平成五年分の正規の所得税額三〇五七万五五〇〇円を免れ

第二  平成六年分の実際総所得金額が、六八九八万三八九二円で、これに対する所得税額が二六八三万円であるのに、平成七年三月一三日、前記所轄潮来税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が五三九万九六二六円で、これに対して納付すべき所得税額が一五万円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、平成六年分の正規の所得税額との差額二六六八万円を免れ

第三  平成七年分の実際総所得金額が、六三七五万三九〇四円で、これに対する所得税額が二四二一万九〇〇〇円であるのに、平成八年三月一二日、前記所轄潮来税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が六三六万一三七六円で、これに対して納付すべき所得税額が二七万二四〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、平成七年分の正規の所得税額との差額二三九四万六六〇〇円を免れ

たものである。

(証拠)

挙示した証拠中、括弧内の甲、乙及び漢数字は、検察官請求証拠等関係カード記載の甲、乙号証の別及び請求番号である。

判示事実全体について

1  被告人の当公判廷における供述

2  被告人の検察官に対する各供述調書(乙一ないし七)

3  岩井順子(甲二九)、吉田八重子(甲三〇)、岩井恵美子(甲三一)の検察官に対する各供述調書

4  関東信越国税局収税官吏大蔵事務官作成の査察官報告書(二通、平成九年一月九日付・甲二、平成一〇年七月一六日付・甲三三)、売上金額調査書(甲九)、雑収入調査書(甲一〇)、期首棚卸高調査書(甲一一)、仕入れ金額調査書(甲一二)、期末棚卸高調査書(甲一三)、租税公課調査書(甲一四)、接待交際費調査書(甲一五)、減価償却費調査書(甲一六)、福利厚生費調査書(甲一七)、給料賃金調査書(甲一八)、地代家賃調査書(甲一九)、貸倒引当金繰戻額調査書(甲二〇)、貸倒引当金繰入額調査書(甲二一)、青色専従者給与調査書(甲二二)、青色申告特別控除額調査書(甲二三)、事業専従者控除調査書(甲二四)、不動産所得・収入金額調査書(甲二五)、不動産所得・租税公課調査書(甲二六)、不動産所得・地代家賃調査書(甲二七)、不動産所得・減価償却費調査書(甲二八)

5  検察事務官作成の捜査報告書(甲三四)

6  茨城県鹿嶋市長作成の「地方税等の納付状況に対する回答」と題する書面(甲三二)

判示冒頭の事実について

7  検察官作成の電話聴取書(乙八)

判示第一の事実について

8  被告人作成の平成五年分の所得税の確定申告書一枚(平成一〇年押第四四号の符号1)

判示第二の事実について

9  被告人作成の平成六年分の所得税の確定申告書一枚(平成一〇年押第四四号の符号2)

判示第三の事実について

10  被告人作成の平成七年分の所得税の確定申告書一枚(平成一〇年押第四四号の符号3)

(法令の適用)

被告人の判示各所為はいずれも、平成一〇年法律第二四号附則二〇条により同法による改正前の所得税法二三八条一項に該当するところ、各罪につき、所定の懲役刑及び罰金刑を併科するとともに情状により同法二三八条二項を適用し、以上は、平成七年法律第九一号附則二条二項前段により刑法四五条前段の併合罪であるから、懲役刑につき同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い第一の罪の刑に法定の加重をし、罰金刑につき同法四八条二項により各罪について定めた罰金額を合算した刑期及び金額の範囲内で、被告人を懲役一年及び罰金二〇〇〇万円に処し、右罰金を完納することができないときは同法一八条により金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置し、同法二五条一項を適用して懲役刑についてこの裁判確定の日から三年間刑の執行を猶予し、訴訟費用については、刑事訴訟法一八一条一項本文を適用して被告人の負担とする。

(求刑 懲役一年及び罰金二五〇〇万円)

(裁判官 飯畑正一郎)

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